第6章 本当の終わり

 

月日は流れた。

あの一件以降、しばらくメールは空いたものの、正月、彼女の誕生日、自分の誕生日には必ずメールのやり取りをしていた。それが何年たっても。

彼女が大学を卒業して、東京の企業に就職したことを知らせてくれた。一緒にご飯でも・・・といったっきり、こちらも忙しく向こうも忙しく、会うタイミングを逃していた。・・・というよりも、こちらには、付きあっていた人がいて、HPのこの失恋記をネタにケンカしちゃうぐらいに、この件に神経を使われていたので、会う時間があったとしても、機会を逃していた。

そころが、2006年夏。5年ぶりの再会が実現したのだ。何かのメールがきっかけとなり、一緒に食事することが実現へと向かった。それは、もはや夢のような話。いまさらどうこうなるわけでもないが、一目でも彼女を見たかった。一緒に話したかった。

お互い仕事を終わらせ待ち合わせは新宿、、そして沖縄料理の店へと行った。久しぶりに見る彼女は、5年前とは何も変わっていなかった。記憶のそこに眠る彼女の姿と、実物があまりにも一致していたびっくりした。この長い年月で想像もかなりふくらんでいたはずなのに。

今までのこと、就職したときのこと、あの網走での思い出を終電ギリギリまで話していた。あっという間の数時間だった。夢のような時間。心のどこかに眠っていた、彼女への想いがどこかで沸々と沸いているのがわかったが、自分だけの心の中でとどめておくことにした。

そんなこんなで、彼女が北海道ではなく東京にいるということで、再びすぐに会えるだろうと、タカをくくっていた。必ず会える・・・と。彼女と会った夏は、例年になくメールが多かった。何かにつけて、向こうからもメールが来てたし、こちらもメールしていた。とはいえ、頻繁、、というレベルではなく、メールのペースもお互いにゆっくりだった。

時間が経つにつれて、メールの頻度も、通常通り戻り、正月、誕生日に限られていった。

2008年、年明け。

いつものごとく正月メールを交わした。あけましておめでとう・・・と。

彼女からのメールに驚いた。

結婚・・・子ども・・・この二言が並んでいた。お母さんになることが判明しました。今年の秋ぐらいに結婚・・・と。

このメールを読んだ瞬間に頭のなかが真っ白になった。素直におめでとう!といえない自分を見て、やっぱり彼女のことが忘れられずに、かつ好きだったんだなぁ・・と実感した。しかしそれも時すでに遅し。彼女は新しい人生を歩もうとしている。

これで本当に何もかもが終わってしまったのかもしれない。彼女との関係が終わってしまうわけではないが、彼女は完全に手の届かない世界に行ってしまった。

もし、この新しい人生がいつかだめになっても、こどもがいても、その時は俺がアナタを守ります。。

そんなことをふと思った。こんな縁起もないこと言えるわけもないし、今やただの友達。自分も新しく区切りをつけなければなるまい。彼女が理想の女性であることには間違いない。

思い起こせば、彼女に初めて出会って10年。10年目の節目を迎えたのだ。

人間は、手に入らなかったものほど忘れられない生き物なのだ。。。

 

完結

 

 

 

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